沖縄の空気を閉じ込めた、優しい表情のガラス
ゆったりとした時間が溶け込んだような気泡。
廃瓶を再利用することからはじまったガラス作りは、
ほかのどの土地にもない琉球ガラスの個性となって独自のスタイルを確立しています。
戦後間もない頃に比べて、原料の品質も技術も格段に進化した現在も
変わることなく受け継がれている、それは職人たちのこだわりです。
琉球ガラスはすべてが職人の手作り。
気泡や色のグラデーションなどの偶然から生まれる美しさはハンドクラフトならではの魅力であり
「一点もの」としての価値を高めています。
なかでも、ガラスに溶け込んだ細やかな気泡は琉球ガラスの最大の特徴であり、
製品全体の彩りにはもちろん、透明ガラスの上にデザインとしてあしらわれることもあります。
気泡がもたらす手洗ボウルの柔らかな表情は水まわりに温もりを感じさせてくれるでしょう。
沖縄の伊吹を表現する豊かな色彩
琉球ガラスは昔ながらの廃瓶を利用したもののほかに原料ガラスを利用したものがあります。
今回ご紹介する手洗・洗面ボウルの素材は廃瓶ではなく原料ガラス。
珪砂(けいしゃ)と呼ばれる砂を主原料に、ソーダ灰や石灰などを混ぜ合わせて作られています。
さらにこの原料に一酸化コバルト(青色)、酸化銅(水色)、二酸化マンガン(濃紫色)などの着色料を調合し添加。
1300℃の高熱で一晩かけて溶かしたものが色ガラスの素地になります。