部材同士の角度を固定する斜材

水平荷重を受けた建物(図1)(図2)(図3)

こんにちは、タナカです。

前回から随分と期間が空いてしまいました。

前回の住宅設計で大切な荷重の考え方では、建物に掛かる荷重について触れました。

そして今回は、鉛直荷重と水平荷重を支えるために必要な部材の話です。

まず、家を構成する構造部材は何かと考えると、浮かんでくるのは柱と梁ではないでしょうか。

柱は鉛直荷重を支えるために重要な部材ですし、梁は屋根や床の重さを柱に伝えるための部材です。

柱に集中した建物の重さは、そのままにしておくと地面に柱が沈んでいってしまうので、しっかりとした基礎も必要ですが。

さて、家にはそうした鉛直荷重以外にも水平荷重が掛かるという話でした。

水平荷重が建物に加わるとき、建物はその外力をどのように受け止めるのか。

前提として、建物は風で飛ばされないように、地面(基礎)に固定されているものとします。

建物に外力が加わると、加わった外力と同じ大きさの反力が、同一方向逆向きに基礎に加わります。

   ・・・(図 1)

ただし、外力と反力の中心線はずれているので、てこの原理で建物の柱が倒れるように力が働いてしまいます。

この柱を倒そうとする力に対抗できるのは、柱と梁の接合部だけなのです。

接合部が耐えられる限界を超える外力が働いたとき、建物は倒壊します。

   ・・・(図 2)

しかし、筋交いと呼ばれる斜材を入れれば、柱を倒そうとする力に対抗できるようになります。

   ・・・(図 3)

つまり、建物に加わる水平荷重を支えるのは、筋交いであるということになります。

筋交いは壁の中に入れる斜材ですが、斜材には筋かい以外にも色々な種類があります。

床の梁と梁を繋ぐ火打ち梁は代表的です。

これらの斜材は全て、部材同士の角度を固定する、部材で囲まれた平面形状を維持するための部材なのです。

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