住宅設計で大切な荷重の考え方
建物には大まかに言って、鉛直荷重と水平荷重という力が掛かっています。というよりも、掛かっている力を鉛直成分と水平成分とに分けて考えているのですが。
このあたりの考え方は、学校の物理になりますね。
鉛直というのは、ある地点から鉛(おもり)を結びつけた糸を垂らした時の向き。つまり重力の働く向きです。
簡単に言えば、鉛直と水平というのは、地面に真っ直ぐ立った時の縦と横のことです。
さて、建物に掛かる荷重のうち、鉛直成分は何かというと、、、固定荷重、積載荷重、積雪荷重の三つに分類できます。
固定荷重とは、建物に固定的に掛かる荷重、すなわち建物自身の重さのことです。「自重」と呼ばれることが多いですね。
積載荷重とは、建物に積載される物の荷重のことで、家具や人の重さのことです。お風呂のお湯の重さも考慮しなければなりません。
積雪荷重とは、これは呼んで字の如く。屋根に積もった雪の重さです。
建物に掛かる荷重のうち、水平成分は何かというと、、、地震力と風圧力になります。
地震力とは、地震の揺れによって建物に掛かる外力のことです。
風圧力とは、台風などの強風によって掛かる外力のことです。
因みにこうした荷重には、<長期荷重>と<短期荷重>があります。固定荷重と積載荷重は長期荷重、地震力と風圧力は短期荷重に分類されます。
また、積雪荷重は地域によって異なります。
長期と短期で区別するのは、同じ力の大きさでも、一時的なものなら耐えられる力にも、長期的に力を掛け続けることで耐えられなくなるからです。
さて、この鉛直荷重と水平荷重では、当然ながら支えるために必要な部材が異なります。
が、少し長くなってしまったので、続きは次回ということで。。。
次回『部材同士の角度を固定する斜材』